ファイアー

夏河にて

アンドリュー「ハイキング行くけど一緒に行く?」

ブーロ「行く行く!どこ行くん?」

ア「20キロ程行った所に草原があるから、そこから歩いていって1泊野宿する」

ブ「食べる物とかは?」

ア「今から買うから、市場へ行こう」

市場でパン、チーズ、果物、お菓子、水500ml、ロウソク、布、大きいビニール袋を買う。

ア「汚い水でも、ろ過できるろ過機あるから、水は行きの分だけで良いよ。
  川の水を飲もう」

ブ「寝袋もマットも上着も持ってないんだけど、布だけで大丈夫かな?」

ア「夏(7月)だし、焚き火するから大丈夫でしょ」

バイクにリヤカーを繋いだタクシーに乗り草原へ。

雲一つない青空、荷物を背負って歩き始める。

遠くに山小屋みたいな集落が、チラホラ見え隠れするが、誰も居ない草原。


突然 パーン パーン パン パンと銃声が鳴る。

ブ「何!?銃の音?」

ア「下に射撃場があるんだよ」

草原をどんどん登っていっても、時々銃声がする。

ブ「なんか追いかけて来てるんちゃう?大丈夫かな?」

ア「大丈夫!大丈夫!ここの人は、みんなやさしくて温厚だから」

小川にたどり着き小休止。

見渡す限りの草原、真っ青な空、綺麗な小川、なんだか世界を独占した気分!?になり

アルプスの少女ハイジのペーターのように、草原にひっくり返って、はしゃぎまくった


水をろ過してペットボトルに入れ、また草原を進む。



小高い丘に到着、

ア「ここにしようか。荷物を置いて薪を集めよう。」

草原なので木が少なく、広範囲を探し回る。

薪を組んでキャンプファイアーの用意。

ブ「風強いけど、山火事とかにならんかな?」

ア「大丈夫!僕はオーストラリアでファイアーマン(消防士)してたから!」

ブ「ホンマ!すごいなぁ。それじゃあ大丈夫やね」

日が暮れていく景色、星と月の出現も最高に美しい。

焚き火にあたりながらの夕食。

ブ「ここに連れて来てくれて本当にありがとう。こんな大自然はじめて!」

ア「ただ一緒に来ただけだよ」

火が弱くなり、ビニールを敷いて、布に包まって満点の星を見ながら寝る。




・・・・・寒い!

着替えのTシャツ、靴下を重ね着して寝る。



寒い!!



その場を離れ、駆け足をし、体を温めようとする。

寝るのを諦め、体を摩りながら星を眺める。

風が強くて寒い。

2回目の小便から戻ると寝袋に入っているアンドリューが声をかけてきた。

ア「寒いね」

ブ「焚き火する?」

ア「戻ろうか?」

夏河まで歩いて戻る事にする。

(後で聞いたのですが、標高3000m近いそうです。)


ロウソクに火をつけるが、何度やっても風ですぐ消えてしまう。

ブ「ペットボトル使おっか?」

ア「OH!グッドアイデア」

底をナイフで切ったペットボトルをブーロが手に持ち、

アンドリューがロウを垂らして、ロウソクを引っ付ける。

ブ「熱っ!!!」

ア「ワオ!SM!」

アンドリューがニヤリと笑う。

ブ「した事あんの?」

ア「前の彼女が好きだった」

ブ「ホンマ!すごいなぁ」とアホな事言いながらも、ランプ製作に成功。

これで足元が見える。

荷物を片付け、交代でペットボトルを持ち、草原を歩く。

3時間ほど歩いて、山小屋集落があった所まで戻ってきた。


ワンワンワン

犬が吠える。

山小屋の明かりが点く。

ア「早く行こう」

ア「来る時、この辺の人はやさしいって言ったけど、本当はわからない」

走って逃げる。


やっと草原を抜けることができ、交わす言葉も無く、道路をひたすら歩く。

合計7時間〜8時間歩いて朝の6時に夏河の宿に到着。

寒さ、睡眠不足、空腹、長時間歩き、で疲労困憊。

苦行か!?

宿の食堂はまだ食事の用意ができていないので、シャワーを浴び、

オーダーして食事を待つ。

二人で食べまくった。

ブ「じゃあ おやすみ」とアンドリューに言うと

ア「今からマニ車回しにレッツゴー!」とニヤリと笑う

ユー ファイアー!



追伸 FIREには、解雇!、発射!、リングに突撃、すっきり辛口コーヒー
    の意味があるそうです。



     

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